一般社団法人日光青年会議所

2017年度 理事長所信

 

 

理事長    竹内 康晃

 

はじめに

 

2016年。霊峰・男体山に惹かれた勝道上人が、神仏習合の聖地として日光開山を成 してから1250年。その日光山に徳川家康公が東照大権現として祀られてから400年。 大きな節目を迎えたわたしたちにとって、これまで脈々と受け継がれてきた日光の歴史を 振り返り、これから50年後、100年後の未来へと歴史を繋げていかねばならないとい う思いを新たにする年でありました。そして合併から設立5周年という節目にあったわれ われ日光青年会議所もまた、記念式典で未来に向けた5年間の中期ビジョンを掲げ、みん なが誇れる「まち」の創造の実現へ向けて、新たなる一歩を踏み出していかねばなりませ ん。

わたしたちは現在、少子化による人口減少、財政不安など多くの課題に直面しています。 「地方創生」が叫ばれる中、これらの課題の解決は地域に住み暮らす人々の手にゆだねら れています。このような時代だからこそわれわれ日光青年会議所は、地域の未来を真剣に 考え、行動する責任世代として、己を律し、地域の方々と手をたずさえ、愛する故郷であ る日光が永遠に輝きつづけるよう、地域課題の解決に向けて行動していかねばなりません。

 

 

未来を担う子ども達へ

 

子どもは地域の宝です。明治時代、イギリス人女性冒険家のイザベラ・バードが書した 「日本奥地紀行」には、日光を訪れた際の記述に、地域の大人達が庭先に集まり、こぞっ て子どもの自慢をし、分け隔てなく子どもをかわいがる姿がえがかれています。それだけ 日本では子どもは大切なものとして、地域の大人達に見守られながら成長してきました。 自分の子どもの頃を振り返ってみると、わたし自身も地域の祭りや行事を通して、地域の 大人たちから伝統や礼儀作法を教えられてきました。その中には青年会議所の地域の歴 史・文化を学ぶ青少年事業やスケート事業などもあり、現在のわたしを形づくる大きな財 産となっています。わたし自身の青年会議所へ入会した根底には、当時わたしたちに様々 な事を教えてくれた大人たちへの憧憬が色濃く残っています。だからこそ、当時の大人た ちが、わたしたちに教え伝えてくれたかけがえのないものを、今度はわたしたちが、子ど もたちへ同じように教え伝えていく事が、わたしたちの責務であります。そして、その子 どもたちがまた次の世代へと連綿と教え伝えていく事、その思いが地域全体へと波及して いく事により、わたしたちの目指す明るいまちの未来へと繋がっていくと考えます。

わたしたちの住む日光は、地域毎に特徴ある歴史、伝統・文化や自然環境を有していま

す。未来を担う子どもたちには、地域それぞれの特色ある魅力に接し深く理解すると共に、 地域の大人から礼儀作法や他者を思いやる心などの徳を育み、その繋がりから地域への帰 属意識を養ってほしい。日光が大好きでずっと住み続けたい、「ふるさと」を創りたいとい う想いを持った大人へ成長してほしいと考えます。

子どもたちの地域を愛する心を育て、活気ある持続可能な社会へと繋げていきましょう。

 

 

日光の未来のために

 

地方創生が叫ばれる現在、地域の未来はこの地域に住み暮らす一人ひとりの手にゆだね られています。このまちに住むすべての人が、真摯にこのまちの未来を考え行動するよう にならなければ、このまちの明るい未来はありません。

本年より3箇年にわたりJRグループと自治体、地元観光事業者が共同で実施する大型 観光キャンペーンであるデスティネーションキャンペーンが栃木県にて行われます。その 中で、世界遺産をはじめとする多くの観光資源を有する日光は、その最重要目的地として、 今ある地域の魅力の磨き上げと新たな魅力の発掘が求められています。地域の中において まちおこしの機運が高まりを見せており、このまちに住む一人ひとりが、まちの事をわが 事と捉えられるようになる大きなチャンスです。まちづくり団体であるわれわれ日光青年 会議所は、これを自らが持つ運動を広く強く発信できる機会と捉え、地域資源の再認識と 掘り起しを行い、みんなが誇れる地域の魅力を創出していきましょう。

「地方創生」を考えるにあたり、地域に点在する様々な課題や問題に着目しなくてはな りません。そしてそれらの解決へ向けた新たな力を作り出すことが必要です。そのために もまちづくりの先駆者であった二宮尊徳の「報徳思想」など、長き歴史の中で培われてき た思想や教えに学び、そこから導き出される知恵や考えを若者の持つ柔軟な思考を介し、 新たな力へと進化させていく必要があります。次世代を担う若者とわたしたち責任世代で 新たな地域の活力を創造していきましょう。

そして、日光青年会議所にとって地域の魅力を内外に発信していく最大の事業として、 ライトアップNIKKOがあります。二社一寺に光を当て非日常の魅力を発信すると共に、 地域の魅力を見つめ直し、地域の方々の理解と協力を得て共に創りあげる事業を目指して 参りました。更なる魅力向上のためにより多くの方が関わり、日光の魅力をさらに発信し ていける事業となるよう、青年会議所の事業から「まちのみんな」の事業への進化の促進 をしていきましょう。

 

地域の未来を担う人材の育成・発掘

わたしたち青年会議所は、20歳から40歳までの地域に住み暮らす青年が、地域の明 るい未来のために活動している組織です。この組織力を高めるためには、メンバー一人ひ とりがしっかりと己を磨き成長し続け、地域の未来を担っていく大人としての魅力を身に 着けた人材にならねばなりません。青年会議所には限りない学びや、気づきの機会があり

ます。多種多様な業種の同世代の仲間たちと、切磋琢磨しながら地域の未来を真摯に考え 事業を作り出すのはもちろんのこと、日本青年会議所や行政の諸会議への出向や、それら を通して得られた人との出会いなど多岐にわたります。これらの機会はメンバー全員に与 えられています。この機会を掴むか掴まないかは自分次第です。しかし、せっかく青年会 議所の門を叩いたのであれば、40歳までの限りある貴重な時間を最大限に生かし、多く の学びや気づきを得てほしい。その経験は間違いなく自分を成長させてくれるものです。

わたしは、このように普段の仕事や生活の中では得られない、多くの学びと経験ができ る青年会議所は、最幸の大人の学び舎であると考えています。残念な事に、この機会に触 れていない同世代の若者がこの町にはたくさんいます。一人でも多くの方に青年会議所の 活動に触れる機会を作り、青年会議所に魅力を伝えていきたいと考えています。そして一 人でも多くの地域の未来を真摯に考える仲間を得て、この地域の明るい豊かな未来へ向け て行動していきたいと考えています。

2012年合併し57名の会員で新たなスタートを切った日光青年会議所は、現在の礎 を築いてきた多くの先輩方の尽力により、50名後半から60名の会員数を維持してきま した。昨年も多くの先輩方が卒業され、2017年は40数名でのスタートとなります。 今後、何もせず会員拡大に手をこまねいていると、5年後の2021年には20数名の会 員数となってしまいます。わたしは設立時の60名程度の会員数が組織を維持するうえで 必要な会員数であると考えます。未来を見据え継続的に会員数が維持できるよう、持続可 能な会員拡大の手法を確立し実行に移す事で、計画的かつ早急に地域の未来を担う人材の 発掘である会員拡大に取り組み、底力のある組織へと発展させていきましょう。

 

 

繋がりの連鎖による成長

 

本年われわれは、2007年に足尾で行われた栃木ブロック協議会会員大会以来となる 栃木ブロック協議会とちぎフォーラムの主管、2011年以来となる門前まち青年会議所 連盟の事務局といった多くの方々と繋がり成長するまたとない機会を有しています。

とちぎフォーラムは一番身近な日本青年会議所の組織である、栃木ブロック協議会の最 大の発信の場であり、多くの地域の方々に注目して頂きたい事業であります。まちに対し て青年会議所の運動を大きく発信し、青年会議所の認知度を高める機会とするために、L OM全体でフォーラムの運営に臨んでいきましょう。

このフォーラムを主管LOMとして運営を支えるには、LOMメンバーだけでなく栃木 ブロック協議会内の多くのメンバーと深く繋がり、協力しあいながら事業を創り上げてい かねばなりません。フォーラムの成功に向けて多くのメンバーと協力し合い、新たな気づ きと新たな絆を築いていきましょう。

門前まち青年会議所連盟は日光と同じように町に社寺仏閣を持ち、門前町として栄えて きたという共通点を持った青年会議所の団体です。門前町という共通の問題意識を持つ青 年会議所と人的交流や情報交換を行う事により、まちづくりへの大きな気づきを得ること

が出来ます。また、加盟LOMはブロック、地区といった枠組みにとらわれず、全国各地 に及びます。エリアの違うメンバーとLOM単位で繋がり、絆を深めることが出来るのは 門前まちでしかできない貴重な経験です。本年、門前まち青年会議所連盟の事務局を担う に当たり、わたしたちは門前まちとしての日光のあるべき姿をしっかりと認識し、まちの 魅力を高める力を養っていきましょう。そして、多くのメンバーを日光に迎え、絆を深め、 門前の繋がりをさらに強固なものとしていきましょう。

多くのメンバーにとって初めての経験となる事ばかりではありますが、そこで得られる 経験は己の視野を広げ組織力を向上させることに繋がります。私自身、これまで栃木ブロ ック協議会への出向や、門前まち青年会議所連盟で与えられた役割を通して多くの経験を させて頂き、大きく成長させて頂きました。そこで得られる経験は決して他で得られるも のではありません。メンバー全員で多くの人との繋がりと絆を得て成長し、この地域の明 るい豊かな未来へ繋げていきましょう。

 

 

組織の礎として

 

青年会議所の組織運営は、全ての意思決定を理事会や総会といった会議を経ておこなわ れています。そのため、これらの会議の設営・運営の主体となる総務・事務局の役割は非 常に重要なものです。合併後の5年間の蓄積・経験により組織運営の流れや、方法が確立 されてきておりますが、組織全体としての情報共有がまだまだ不足しているのが現状です。 理事メンバーと委員メンバーなどで、得る情報に差が出てしまいます。理事会で決定した 内容や日本青年会議所の事業、地域における協力事業など、私たちが関わる全ての事業に ついて全メンバーでの情報共有ができるシステムを構築する必要があります。

また、昨年の5周年を契機に策定し発表した「中期ビジョン」の達成に向けて、進捗状 況を単年度ごとに把握し検証する必要があります。そのために、個々の事業の目的や達成 度検証が確認できるシステムの構築をする必要があります。これらの情報を蓄積すること により全体の運営能力の向上に繋がると共に、メンバー全員の情報共有をさらに高めるこ とができます。

組織内に置ける情報共有がしっかり出来ていれば、メンバー一人ひとりの発信力が高ま り、おのずと地域への情報発信力を高めることができます。SNSが十分に普及し、一人 が発信した情報が多くの人に伝わる時代となっています。どのような発信方法が適切なの かを精査し、あらゆるコミュニケーションツールを組み合わせ、地域から共感を得られる ような積極的な情報発信を行い地域からの信頼を得ていくと共に、組織力を高めて地域に 根差した運動を展開することにより日光青年会議所の価値を高めていきましょう。

 

 

 

結びに

 

これからの未来は自身の住む地域を他人任せにできない時代となります。そのような時 代の中で地域の未来を担うべきわたしたち青年会議所は、常に地域の課題をわがことと捉 え、率先して行動に移し、明るい未来のイメージを人々に与え続けていかなくてはなりま せん。

では、今わたしたちはそれができる組織・人材でしょうか。地域をより深く知り、課題 や問題に真正面から立ち向かい、学び、経験し、力をつけていかなくてなりません。そし て未来を牽引していく人材を沢山育てていかなくてはなりません。

そのためにも、まずはメンバー一人ひとりが心からこのまちを愛し、そこに住む人々を 愛し、常に心の中に暖かいものを携えて、まちのために運動を展開していきましょう。わ たしは、故郷を思い、愛する力が「地方創生」を実現させると考えます。愛する「日光」 がその名の如く永遠に光り輝き続けるよう、青年の持つ情熱と地域への愛をもってともに 未来を築いていきましょう。